歯みがきをしたときに「歯ぐきから血が出た…」と驚いた経験はありませんか?
1回きりの出血なら「強く磨きすぎたかな?」と気にしない方も多いですが、繰り返し出血する場合は要注意です。
実はそれ、歯周病のサインかもしれません。
この記事では、「歯ぐきから血が出る原因」や「放置するとどうなるのか」、そして「今日からできる対策」について歯科医師の視点からわかりやすく解説します。
ぜひ最後まで読んで、ご自身のセルフチェックに役立ててください!
歯ぐきから血が出るのは歯周病のサイン?

歯ぐきからの出血は、歯周病の初期症状としてよく見られるものです。
歯周病は細菌による感染症で、歯ぐきや骨に炎症を起こして進行していきます。
主な原因を4つ紹介します。
歯垢(プラーク)がたまっている
歯ぐきの出血の多くは、歯と歯ぐきの境目にたまった歯垢が原因です。
歯垢の中には細菌が多く含まれており、毒素が歯ぐきに炎症を起こし、赤く腫れて出血しやすくなります。
歯ブラシやフロスの刺激
普段より歯ぐきが炎症を起こしていると、軽く触れただけでも血が出やすくなります。
「強く磨いたから出血した」と思いがちですが、実際は炎症があるから出血するケースがほとんどです。
生活習慣の乱れ
睡眠不足や喫煙、ストレス、食生活の乱れは免疫力を下げ、歯周病菌が増えやすい環境を作ります。
その結果、歯ぐきが弱り、出血しやすくなります。
ホルモンバランスの変化
女性は妊娠・出産・更年期などでホルモンバランスが変わると、歯ぐきが敏感になりやすくなります。
特に妊娠中は「妊娠性歯肉炎」と呼ばれる歯ぐきの腫れ・出血が起きやすいため注意が必要です。
歯ぐきの出血を放っておくとどうなる?
「ちょっと血が出ただけだから大丈夫」と放置してしまう方も多いですが、歯ぐきの出血は体からのサインです。
放っておくと以下のようなリスクがあります。
歯周病が進行する
初期段階では歯ぐきの腫れや出血だけですが、進行すると歯を支える骨が溶けてしまいます。
そのまま悪化すると、歯がグラグラして抜け落ちる原因となります。
口臭が強くなる
歯周病菌は口の中でガスを発生させるため、強い口臭の原因にもなります。
「最近口臭が気になる」と感じる方は要注意です。
全身の病気リスクが高まる
歯周病はお口の中だけの問題ではありません。
細菌や炎症物質が血流にのって全身に広がることで、糖尿病・心臓病・脳梗塞・認知症などのリスクを高めることがわかっています。
歯ぐきからの出血を防ぐための対策5選
出血が気になったら、今日からできる対策を実践してみましょう。

正しい歯みがきを心がける
・歯と歯ぐきの境目に歯ブラシを45度の角度であて、やさしく小刻みに動かす
・強く磨く必要はなく、「歯垢を落とす」イメージでやさしく磨く
デンタルフロスや歯間ブラシを使う
実は歯と歯の間は歯ブラシだけでは不十分です。
フロスや歯間ブラシを習慣にすると、歯垢除去率が大きく向上します。
しかし、フロスや歯間ブラシも使い方を誤るとほとんど歯垢を除去できていないケースもあるため、歯科衛生士の指導を受けるようにしましょう。
規則正しい生活習慣
睡眠・食事・禁煙を意識するだけで、免疫力が保たれ、歯周病菌に負けにくくなります。
定期的な歯科検診・クリーニング
歯石やバイオフィルムはセルフケアでは落とせません。
歯科医院でのクリーニングが必要です。
3〜6か月ごとの定期検診を目安に通いましょう。
出血が続く場合は早めに受診
2週間以上続く出血は、歯周病が進行している可能性があります。
「様子を見よう」と後回しにせず、早めに受診しましょう!
歯ぐきの出血は「小さなサイン」を見逃さないで
歯ぐきの出血は、「歯周病のはじまり」を知らせる大切なサインです。
軽い出血だからと放置すると、やがて歯を失う原因にもなりかねません。
今日からできるセルフケアを意識しつつ、少しでも不安があれば歯科医院で相談してみましょう。
早めの受診が、歯と体の健康を守る第一歩です!
しおみ歯科クリニックの専門医より一言!

毎日の丁寧なブラッシングやフロスは歯周病予防の基本ですが、セルフケアだけでは限界があることを理解していただく必要があります。
歯周病の主な原因である歯垢は、時間が経つと唾液中のミネラル成分と結合して歯石に変化します。
この歯石は歯ブラシでは除去できず、専用器具による機械的除去が必要です。
また、歯周ポケット(歯と歯ぐきの間の溝)が3mm以上深くなると、ブラシの毛先が届かず、内部に蓄積した細菌や毒素の除去は困難になります。
さらに、歯周病は痛みを伴わずに進行する「沈黙の病気」と呼ばれます。
ご自身では健康と感じていても、レントゲン検査により骨の吸収が進行している場合も少なくありません。
セルフケアは歯周病予防の土台ですが、専門的な診査・診断・治療と組み合わせることで初めて効果を発揮します。
定期的な歯科受診を「治療」ではなく「予防投資」として捉えていただければと思います。


