- 歯の根の治療
「根管治療(歯内療法)」とは? - 根管治療はしない方がいい?
デメリットはある? - 根管治療をした方がいい理由
- 根管治療の流れ
- 根管治療に失敗したらどうなる?
原因や症状は? - 根管治療の費用
歯の根の治療
「根管治療(歯内療法)」とは?
虫歯が神経にまで達すると、歯を削って詰め物・被せ物をするだけでは、神経が入っている「根管」に虫歯菌が残り、近い将来に二次虫歯が発生します。これを防ぐため、根管内を清掃・洗浄し、薬剤を充填して根管を無菌状態にするのが、「根管治療(歯内療法)」です。
重度の虫歯であっても、根管治療の技術によって、「自分の歯」を残せる可能性が高くなるのです。根管治療を行った上で被せ物を取り付けることで、審美性・機能性も回復できます。
当院では、視野を3~8倍に拡大できる「拡大鏡」を用いて、再発しにくい根管治療を行っております。
根管治療はしない方がいい?
デメリットはある?
根管治療は、歯の根だけであっても、「自分の歯」を残すことが可能になる治療です。
ただし、「歯が元の健康な状態に戻る」というわけではないことは、予め知っておく必要があります。
歯が割れたり折れたり
しやすくなる
根管治療では、神経を取り除きます。それまでのように歯に十分な栄養が行き届かなくなるため、歯がもろくなります。
歯ぎしりがある方は、ナイトガードの作製をおすすめします。
治療に時間がかかる
根管内を無菌状態にするため、根管内の清掃・洗浄については、何度かの通院に分けて繰り返す必要があります。そのため、通常の虫歯治療と比べて治療回数が多くなり、治療時間(期間)も長くなります。
痛みを感じず
虫歯の再発に気付けない
神経を取るということは、痛みを感じないということです。根管治療を行った歯で虫歯が再発しても、気づくのが遅れる可能性があります。
症状を頼りに受診するのではなく、症状のないうちから定期検診に通い、予防と早期発見に努めましょう。
根管治療をした方がいい理由
適応となるのであれば、基本的に根管治療をおすすめします。
ただ、根管治療を行っても近い将来に歯が抜けてしまう可能性が高い、というケースもあります。根管治療をするかしないかという判断については、患者様と相談した上で、決定します。
自分の歯を残すことができる
歯の根だけであっても、「自分の歯」を残せれば、そこに被せ物を取り付けて審美性・機能性を回復させることができます。
抜歯して入れ歯・ブリッジ・インプラントを行うケースと比べると、お口の健康の損失を抑制できると言えます。しっかり噛むことができますし、気持ちの面でも「自分の歯」であることは、うれしいものです。
虫歯の痛みがなくなる
神経と炎症を取り除くことで、痛みが消失します。痛みが消えることで、日常生活におけるストレスが1つ減ります。
虫歯にならないことが何よりですが、虫歯になってしまった時は、できるだけ早く、治療を受けましょう。
根管治療の流れ
01虫歯部分を削る
虫歯部分を削り、根管を露出させます。
02根管の清掃
「リーマー」「ファイル」といった器具を用いて、根管内で虫歯菌に侵された神経・血管を取り除いていきます。
03根管の洗浄
薬剤を用いて、根管を洗浄します。少しでも虫歯菌が残っていると、治療後に根管から虫歯が再発してしまうため、清掃・洗浄の工程は何度か繰り返す必要があります。
04薬剤充填・支台取り付け
清掃と洗浄で作った無菌状態を維持するため、根管の隅々にまで薬剤を充填します。
充填した薬剤が硬化したのち、必要に応じて、被せ物を支える支台を取り付けます。
05被せ物の作製・取り付け
型取りをして作製した被せ物を取り付けます。これによって、根だけになった歯の審美性・機能性を取り戻せます。
根管治療に失敗したら
どうなる?
原因や症状は?
根管治療に失敗した時の症状
虫歯というものが100%防げるものではない以上、根管治療も100%成功するとは限りません。当院では、拡大鏡を用いた丁寧な根管治療を行うことで、再発リスクの低減に努めています。
痛み・腫れの再発
虫歯菌の取り残しがあったり、細菌を含む唾液が侵入するなどして、虫歯が再発すると、痛みが出ます。また、膿が歯の根に溜まり、歯茎が腫れることもあります。
根尖性(こんせんせい)歯周炎
歯の根に細菌が入り込み、歯の根の先に病巣を作って炎症が起こっている状態です。炎症が広がり、顎の骨を溶かしてしまうこともあります。
痛み、歯のぐらつきなどが見られます。
歯根嚢胞
根管内で細菌が繁殖すると、歯の根の先から細菌が押し出され、周囲で炎症を起こします。これを放置していると、膿の袋が形成されます。
痛み、歯茎からの膿などが見られます。
根管治療を失敗する原因
根の中に細菌が残っている
清掃・洗浄が不十分で根管に細菌が残ったまま根管治療を終えてしまうと、その後内側から虫歯が再発してしまいます。また、治療中に細菌を含む唾液が侵入した場合も、同じことが起こります。
充填や被せ物に隙間があった
薬剤の充填が不十分であったり、被せ物の適合が良くない場合、細菌を含んだ唾液が侵入するなどして虫歯を再発させてしまうことがあります。
根管内に穴が空いた
清掃の際、リーマー、ファイルといった器具が根管を突き抜けてしまうことがあります。こういった場合に適切な処置をせずに根管治療を進めてしまうと、のちほどその穴から細菌が入り込み、虫歯や炎症を引き起こします。
根管治療の費用
3割負担 | 1,000円前後 |
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